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確定申告の対象者③ 確定申告をした方がよい方……申告すると税金が戻る人

所得税

前回まで、確定申告の対象者のうち「確定申告をしなければならない方」について見てゆきました。

今回は前回までと異なり、「確定申告をする必要はないが、確定申告をすることでメリットがある方」について見てゆきます。

まずは、確定申告をすることで税金の還付を受けることができる方について。

確定申告することで納めた税金が戻ってくる場面

主に次のような場面で、所得税の還付を受けるための確定申告を行うことができます。

⑴給与所得者で、年末調整では計算されない控除を受けることができる場合

次に掲げる控除などは、確定申告を行うことで控除を受けることができます。

  • 雑損控除(災害、盗難、横領によって損害を受けた場合)
  • 医療費控除(1年の医療費合計額が一定金額を超えた場合)
  • 寄附金控除(ふるさと納税などの寄付をおこなった場合)
  • 住宅借入金等特別控除(購入後1年目は確定申告でしか控除を受けられません)  など

追加で受けた控除の分だけ、還付を受けることができます。

⑵確定申告を必要としない年金所得者で、各種控除を受けることができる場合

年金所得者のうち次の要件を満たす方は確定申告をしなくてもよいこととなっています。

  1. 公的年金等の収入金額が400万円以下
  2. その年金以外の他の所得の金額が20万円以下

しかし、社会保険料控除や医療費控除、寄附金控除などの各種控除を受けることができる方もいらっしゃるかと思われます。

該当する方は、⑴の給与所得者と同様に確定申告を行うことで還付を受けることができます。

⑶年の中途で退職し、年末調整を受けていない場合

こちらに該当する方は、年末調整が行われていないため、年末調整で計算される控除や⑴に掲げる控除等の一切が適用されていません。

確定申告を行うことで控除を受け、還付を受けることができます。

⑷退職所得がある人で、「退職所得の受給に関する申告書」を支払者へ提出していない場合

退職所得を受け取る際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合には、支給額から一律で20.42%の所得税が源泉徴収されることになります。

本来支払うべき退職所得に対する所得税の税率が20.42%より少ないときには、確定申告を行うことで過納分の還付を受けることができます。

⑸所得が一定金額以下の方で、総合課税の配当所得や原稿料などがある場合

所得の金額によりますが、

  • 総合課税の配当所得 → 配当控除の適用により還付
  • 原稿料など源泉徴収される収入 → 源泉徴収された所得税額のうち過納付分の還付

を受けることができます。

その他、次のような場合が考えられます。

⑹予定納税をしているが、今年は確定申告の必要がなくなった場合

⑺年末調整で受け漏れた控除がある場合  など

還付申告の期限

確定申告のうち還付申告については、通常の確定申告とは期限が異なります。

  • 通常の確定申告
    翌年3月15日まで
  • 還付申告
    翌年1月1日から5年以内

2021年分であれば、2022年1月1日〜2026年12月31日まで、ですね。

納めた金額までしか還付されません

過去の勤務時代に何度かあった話なのですが、

「住宅ローン控除で〇〇万円還付されるはずなのに、全額還付されないのだけど!」

という様な問い合わせの電話が。

還付とは、納めた税額のうち過納分が返金されるものです。

すなわち、納めた税額を超える金額の還付を受けることはできません

例えば、住宅ローン控除を25万円受けられるとしても、その年に納めた所得税額が8万円しかないのであれば、還付税額は8万円です。(住民税の話はここでは割愛)

お間違いなく。

まとめ

確定申告をした方が良い人のうち、申告することで還付を受けることができる方について記載しました。

期限は5年となっていますが、通常の確定申告と同様、前年の所得計算については早めに終わらせておくのが良いのではないでしょうか。

還付申告を忘れても、国が連絡を寄越すことはありませんから。(多く納めてもらえている分は気にしない)