事業を開始した初年度に、大きな金額の設備投資などを行うことがあります。
その時には「消費税課税事業者選択届出書」の提出を考えてみましょう、というお話です。
消費税の仕組み
事業者は消費税の納税義務者となった場合には、
「売上(収入)に対する消費税」ー「仕入(支出)に対する消費税」 ※原則的な計算方法の場合
の残額を国に納付しなければなりません。
通常、輸出売上などではない事業を行っているのであれば、利益を出している以上、
「売上に対する消費税」>「仕入に対する消費税」
となり、消費税を納付することになります。
しかし、事業開始年度には、
- 売上がまだそれほど立たない
- 設備投資で大きな仕入がある
といった事情から、
「売上に対する消費税」<「仕入に対する消費税」
となることも考えられます。
輸出売上がメインとなる事業を行う方も同様の形となることが考えられます。
この時には、消費税を納め過ぎていることになりますので、過払い分は還付してもらうことができます。
納税義務者かどうか
前項でのお話は、前置きの通り、納税義務者であった場合のお話です。
消費税に納税義務ついては、
- 開業後2年間
- その後は2年前の課税売上高が1,000万円以下
の事業者は消費税の納税義務が免除されます。(例外規定あり)
消費税を納めなければならない事業者にとっては、納税義務が免除になることはありがたいことです。
一方で、消費税の還付を受けることができるはずの事業者にとっては……納税義務がないため、還付を受ける権利もありません。
消費税の還付を受けたい = 納税義務者であること
という条件が付いてくることになります。
「消費税課税事業者選択届出書」とは?
- 消費税の還付を受けることができる見込だが、
- 消費税の納税義務者ではない(免税事業者である)
これらに当てはまる方が、あえて課税事業者になることを選択するために提出する書類です。
なお、ここまで新規開業の方についてのみ説明してきましたが、既に開業されていて消費税が免税事業者の方についても提出することができます。
提出時期
- 課税事業者になろうとする課税期間の初日の前日まで(個人の場合は前年12月31日まで)
- 事業を開始した課税期間(1期目)である場合には、その課税期間内(個人の場合はその年12月31日まで)
に納税地を所轄する税務署長に提出してください。
提出には要検討
この届出書を提出すると、2年間は課税事業者を止めることができません。
また、その間に1つ100万円(税抜)以上の固定資産を取得した場合には、さらに、その資産を取得した課税期間の初日から3年間は課税事業者を止めることができません。
1年目の消費税還付だけでなく、その翌年の事業計画や見込を考慮した上で提出する必要があります。
まとめ
今回は「消費税課税事業者選択届出書」について見てゆきました。
ここまでに書いた内容のほか、
- 消費税の納税義務者に該当するかどうかの判定
- 2023年10月1日から導入されるインボイス制度への対応
なども踏まえた上で、提出するかどうかを検討する必要があります。
?となる場合には、ぜひ税理士へ相談してくださいね。
【明日に向けて】
事務所用スマホ(楽天モバイル)の通話アプリ不具合に振り回されています。
- 着信があっても、通話アプリを起動しないと通知が確認できない
- ショートメールの返信が翌日になって届く(当日何度も確認したが届いていなかったのに)
- ショートメールが時系列通りに届かない(1→2→3が、1→3→(3から時間をおいて)2の順)
お客様とのやり取りに影響が出てしまっているため、早急に問い合わせ対応をしなければ。ぐぬぬ。
その他、明日は税理士業務を進めます。