2022年11月4日より、freeeが「優良」電子帳簿に対応しました。
これまでは「その他」の電子帳簿のみの対応していたので、「優良」電子帳簿を必要としている方には選択肢が広がったことになります。
せっかくなので、優良電子帳簿の内容、メリットついて見てゆきましょう。
優良電子帳簿の位置付け
そもそもこの優良電子帳簿という単語はどこから出てきたのか。
これは、令和3年度税制改正における電子帳簿保存法の改正において出てきたものです。
電子帳簿保存法の改正では、
1 電子帳簿等保存 | 電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存 |
2 スキャナ保存 | 紙で受領・作成した書類を画像データで保存 |
3 電子取引 | 電子的に授受した取引情報をデータで保存 |
と、3つの改正内容がありました。
優良電子帳簿はこのうち「1 電子帳簿等保存」に関係してくるものです。
「1 電子帳簿等保存」の改正では、対象となる電子帳簿を次の2つに区分しています。
最低限の要件で電子帳簿の保存が可能となる、「その他」電子帳簿。
そして、要件を全て満たさなければならないのが、「優良」電子帳簿。
freeeは今回、これら要件を全て満たす帳簿に対応したということになります。
優良電子帳簿によるメリット
ただただ要件が厳しくなるだけなのであれば、わざわざ優良電子帳簿にする必要はありません。
優良電子帳簿とすることで、次のメリットが生じます。
- 過少申告加算税が生じた場合 → 5%軽減
- 所得税の青色申告特別控除 → 55万が65万に
1.については、優良電子帳簿のほか、事務処理規定の作成・税務署への届出が必要です。
2.については、青色申告特別控除が65万となる要件は、
- 優良電子帳簿の保存
- e-taxによる電子申告
のいずれかを満たせば良いため、優良電子帳簿にするメリットとしては微妙です。
主に1.のメリットを享受できるということですね。
優良電子帳簿の要件
その他電子帳簿と優良電子帳簿で異なる点は次のとおりです。
- 入力(訂正・削除を含む)の履歴が残る
- 帳簿間での仕訳情報の相互関連性が確認できる
- 仕訳を取引日・取引金額・取引先の各条件で検索できる
従前の機能に加え、これら機能を備えた会計ソフトが、優良電子帳簿となります。
まとめ
優良電子帳簿について、その内容とメリット、要件について記載しました。
過少申告加算税5%軽減のメリットを享受するためには、優良電子帳簿のほか、事務処理規定、税務署への届出が必要となります。
優良電子帳簿のみで恩恵を受けられるものではないので、他の要件についても満たせるよう確認が必要です。