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法人設立時の疑問 官報への公告とは

法人設立

Freee会社設立を通して、法人設立の手順について勉強中です。

その中で出てきた「公告の方法」。

勤務時代に法人設立に携わった際に、司法書士の方より「公告の方法」について聞いた覚えがなく……せっかくなので公告について調べてみました。

会社法に規定あり

第440条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。

会社法より引用

この規定により、株式会社は決算で確定した内容(計算書類)を公告しなければならないということですね。

ここで言う「公告」とは、広く一般に知らせることです。

では、どのような方法で公告を行う必要があるのでしょうか。

公告方法は3つ

第939条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
 一 官報に掲載する方法
 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
 三 電子公告

会社法より引用

上記の3種類が規定されています。

もしそれぞれの媒体で広告を行うとすると、

  • 官報 → およそ7万円(東京都官報販売所HPより)
  • 日刊新聞紙 → ピンキリ(全国紙から地方紙まで様々、官報より高い)
  • 電子公告 → 約4,000円〜(freee電子公告の場合)、自社HPの場合はサーバー代+ドメイン代

と、電子公告がお得なようですね。

ただし、官報や日刊新聞紙は貸借対照表の要旨のみでOKですが、

電子公告の場合には貸借対照表の全部を、定時株主総会の終結の日から5年間に渡り継続して公告しなければなりません。

詳しく内容を見られたくない場合には、電子公告以外が選択肢として良さそうです。

私の見てきた実態

ここまで、公告は法律で定められた「すべきこと」であると判りました。

ですが、これまで私が見てきた中小企業では……決算公告をしているところは1社もありませんでした。

(HPに掲載しているのであれば気づけますし、どこかへ掲載依頼をされたのであればその費用が出てきます。)

ちなみに、会社法の罰則規定には、広告を怠った場合には100万円以下の過料(罰金)と定められています。

この過料を課された中小企業者様も1社としてお会いしたことがありません。

基本的には課される可能性はとても低いですが、課された場合には反論の余地無し、という認識で良いのでしょうか。

まとめ

以上、公告(決算公告)について調べてみました。

税理士の立場からすると、仮に法人設立のご相談を受けた場合に、

「公告ってしなくても大丈夫ですよね?」

と聞かれてしまっても、

「法律で定められていますよ。もし指摘された場合は100万以下の罰金です。」

とお答えするしかありません。あとはご自身の経営判断です。

電子公告で安価に済ませることができる時代になりましたし、会社の運営に必要な事項として含めておくのが良いのかもしれませんね。


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まあ、今のところ営業の郵送物ばかりなのですが。